深紅の復讐~イジメの悪夢~
あたしは、ただ、痛めつけたかったんだ。
新しい扉が開くってこういうことなのかな?
あたしは、「イジメ」の沼にハマって抜け出せなくなった。
面白いんだ、イジメが。
苦しんでいる奴の顔を見るのが、最高に面白いんだ。
あたしは、もう一度脚を振り上げる。
———バンッ!!
「何やってんのっ!!!」
突然の声にあたしは飛び上がりそうになった。
恐る恐る振り向くと。
あたしの頬が緩んだ。
そこにいたのは、愛しのあの人。
「麗華ちゃん…!」
学級日誌を抱えている。
居残りしていたのだろうか。
うふ、今日も、ステキだねぇ〜?
「な、何やってんのよ……彩綾ちゃんっ…!」
震えているね、子猫ちゃん。
あたしは、クスクスと笑った。
「見て分からない?ハルカをいじめているの。」
麗華ちゃんの口があんぐりと開く。
呆然とした顔だね。
ステキだよ。
「な…なんてこと……。」
そのとき。
「た…助けて…!白神さん…!!」
ハルカが麗華ちゃんに腕を伸ばす。
「麗華ちゃんに気安く助けを求めてるんじゃないわよ!!」
あたしはハルカの顔を蹴った。
「ふぐっ…!」
ハルカの顔にあたしの脚がクリーンヒットする。