深紅の復讐~イジメの悪夢~
「っ……、はぁ…!」
やっと唇を解放してあげた時、麗華ちゃんは大きく息をついた。
「ふふ…、好きだよ、麗華ちゃん。」
あたしはもう一度、深く彼女の唇を奪う。
深く、深く。
深く、キスをする。
彼女の奥底まで、深く繋がりたかった。
瞳を閉じた彼女は、もう抵抗していない。
成り行きに身を任せている。
あたしの初めてのキス。
それは、あなたのもの。
あたしの全ての「初めて」は彼女に捧げる。
固く決心した。
「ふ……はぁ…。」
あたしの唇から離れた麗華ちゃんは、あたしににっこりと微笑みかける。
「あはは、やっぱり、彩綾ちゃんには敵わないや。」
そう言って笑う彼女は、前みたいに正義感に燃える麗華ちゃんじゃなかった。
目はキラキラと輝き、広角は綺麗に上がっている。
「うん、あたし、もう自分を偽るの、やめる。」
麗華ちゃんはそう言って伸びをした。
「うん、あたしはこれでいいや。」
そう言った彼女の目には、悩みが吹っ切たような、明るい色が浮かんでいた。
麗華ちゃんはハルカを見下ろす。
「ねぇ、ハルカちゃん?」