深紅の復讐~イジメの悪夢~


失禁、または脱糞した感覚がする。


潔癖症のあたしにとっては、耐え難い苦痛。

それでも、ぶーちゃんは攻撃の手を緩めるつもりはないようだ。

何度も蹴りがあたしを襲う。

主にお腹に集中攻撃だった。



手足が自分の意思に反して痙攣する。

なんとか呼吸を続けている口からは、変な呻き声が出る。

血の混ざった嘔吐物は、顔の周りに広がり、目にも入る。

目が滲みて、涙が溢れ出す。




———バキッ!!!





大きな音が響いた。

体の中から響く。

一瞬息ができなくなり、しばらくして猛烈な吐き気が襲う。


肋骨。


肋骨が折られた。

あの不愉快な音は、間違いなく胸から響いてきた。




「あぁ…ぐ、ぐぁ……!!」




臓器が破裂するような感覚がして、お腹の中が掻き回されたようだ。


意識が途切れかけ、視界が暗転し始めた。


その時、急に静かになった。




………ぶーちゃんの攻撃が止まったのだ。





「はぁ…はぁ…。」



ぶーちゃん自身も、息を切らしている。

あたしは、声を発する気力なんて無かった。

舌は口の外にだらりと出ている。


見るも無惨な状況になっているのだろう…。


あたしは、あまりの痛みに腹の底からうめくことしか出来ない。


頭を使うことだってままならない。


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