深紅の復讐~イジメの悪夢~
ぶーちゃんは、全ての憎しみを込めた目で、あたしを睨む。



「許さないから。地獄に落としてやるから…!」



肩で呼吸を繰り返すぶーちゃんが霞んで見える。

あたしは、静かに呼吸をして、なるがままにされる運命。

何よりも悲しさが勝った。

胸の中には、悲しみ一色だった。


麗華姫に踊らされていたことに気づいてしまった悲しみ。

強姦された悲しみ。

醜い自分に対する悲しみ。

身体中をボロボロにされたことに対する悲しみ。



もう、頭がどうかなってしまいそうだった。



「もう、動画だって流したから。あんたの人生は、終わったんだから!あはははは!!!」



ぶーちゃんが高らかに笑う。

そして、急にハッとしたような顔になる。




「そうそう、彩綾!忘れるところだった!!」





そう言って彼女は、あたしに手を差し出した。




「あの写真、消して?」




は……?

なんのことを言っているんだ、この子は。

写真??そんな…。




「あっ…!」




あたしの口から声が漏れた。

あああ、あれかぁ。

あの、柑奈の家からぶーちゃんが出てくるやつじゃん!!

ふ…ふふ。

まだあるじゃん、ぶーちゃんを追い詰める方法!

< 289 / 332 >

この作品をシェア

pagetop