深紅の復讐~イジメの悪夢~


あたしは、嬉しくなった。

このバカたちは、麗華姫の策略にまんまとハマって、私をターゲットにしたんだ。

ふふふふ……。

あははは!!


あたしはおかしくなった。


だけど笑わなかった。

最後まで出し抜いてやる、こいつらを。

ふざけんなふざけんなふざけんな。


愛香、あんたの復讐は、成功だよ。

あたしは、こんなにボロボロになって、心に、体に、深い傷を負った。


だけどね、それだけじゃ済まさない!

あんたも道連れにしてやるから…!

ううん、きっと麗華姫が道連れにしてくれる。

遅かれ早かれ、あんたは破滅するのよ!




「ぐっ……!!」




あたしは、手をついて、無理やり身体を起こす。

八神……。


ぶーちゃんの後ろに影のように寄り添う八神夜風。

美しい。

素敵な、非の打ち所がない顔立ちをしている。

あんたも、ぶーちゃんの協力者なんだよね?

きっときっと……。


きっと、麗華姫が、あんたにも制裁を下すからっ!!


屋上の低い柵に体をもたせながら、あたしは立ち上がった。

ぶーちゃんの目の前で、スカートのポケットに手を滑り込ませる。


あたしがポケットから出したもの、それはスマホ。

あたしは、不敵に微笑んだ。



「愛香…。あんたが欲しがっているもの、消したがっているものは、この中にある…。」



ぶーちゃんの顔つきが変わる。

今にも飛びかかってきそうだ。
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