深紅の復讐~イジメの悪夢~

愛香side




「なっ……!?」



飛び降りた。

彩綾が飛び降りた。

なんで…、?



「ちょっ、ちょっと、どうしよう!?」



あたしは焦って、振り返って夜風に助けを求めた。




「さぁ?」




気のなさそうな返事が返ってくる。

ちょっと、さぁ?、は無いでしょう!

困るんだけどぉ。



「いいじゃん、どうせスマホも粉々になっちゃうよ。」



そう言って夜風は伸びをした。

夜風はあたしのスマホをタップしていた。




「ねえ、夜風。もう流さなくていいよ、その動画。消して。だって、もう復讐は終わったんだから。」




後々面倒なことになると嫌だし…。

それなのに、なぜか夜風はあたしを見て肩をすくめた。



「無理だよ。」

「え…?」



びっくりした。

夜風なら…、今までの復讐の主犯者なら…。

なんでもできると思ったのに。

あたしの頬が引きつった。




「無理だよ、愛香。ネット舐めてるんじゃない?」

「は…?」



夜風はふふっと笑った。




「すぐに拡散されちゃうに決まってんじゃん。あんな人の興味を刺激するもの。」




なっ…!

ど、どうしよう……!

あたしの頭はパニックになった。

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