深紅の復讐~イジメの悪夢~
RRRRRRRRRR……
3コールで相手が出る。
「あぁ、遥さん?」
電話口から、くぐもった女の子の声が返ってくる。
「八神さん…。」
「遥さん、成功しましたよ、復讐は。」
美しいラインの夜風の口角が、クイっと上がった。
その美しい唇から紡がれる言葉は、電話を通して電波となり、遥さんに届く。
「ふふふ……。本当ですか?」
電話口から疲れたような笑い声が漏れてくる。
「よろしかったら写真送りましょうか?」
「………お願いします。」
遥さん…。
遥さんは、夜風に度々メールを送ってくる「情報屋」から送られてきた名前だ。
彩綾と麗華は、小学生の頃から、イジメに手を染めていたらしい。
で、彩綾と麗華が恋人だってことも分かった。(おえっ。)
「情報屋」が、何者なのか、それは分からないけど、あたしはそんなことはどうでもいい。
復讐が成功すれば、いいんだから。
今回の復讐も、下準備とかは、夜風がやっている。
夜風が、彩綾を尾行し、いろいろな情報も収集してきた。
彩綾のメアドを使って出会い系アプリに登録したのも、夜風。
そのアカウントは既に削除してある。
あたしがやったのは、最後に彩綾を痛めつけたこと。
だけど、それでも十分。
彩綾を、最終的に追い詰めたのは、あたしなんだから————。