深紅の復讐~イジメの悪夢~

悔しくて、なぜかむかむかして。

あたしの周りで人がバタバタ死んでいっているのだ。

原因を作ったのはあたし。

だけど、精神的に不安定になっているのかもしれない。


頬に涙が伝う。

なんで、なんで泣いているの私。



………分かっている。本当は分かっている。






体に、心に鞭打って、無理をしている。

頭が割れそうだ。

疲れている。


精神的に狂わない方がおかしいのだ。


夜風が急に静かになる。

あたしを見ている。



「………大体、みんなそうなんだ。一時期は、つらくて、苦しいんだ。愛香、復讐、やめる??」



静かに、低い声で囁く。

あたしは、ハッとなった。


違う、そうじゃない。


あたしは、復讐をやめたいんじゃない。

あいつらに復讐して、地獄を見せてやるんだ。




あいつらを、ひとり残らず地獄へ落としてやるんだ。

奈々美、麗華…。

絶対に、逃がさない。


逃がさない逃がさない逃がさない。

同じ苦しみを味わわせてやりたい。

かみしめた唇から血が一筋垂れる。


もう、戻れない。


復讐をする。


あたしは、何かを決意して━━━━。



屋上の柵から身を乗り出した。


落ちた、あの子を見るために。



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