深紅の復讐~イジメの悪夢~

荒くなっていく呼吸。

震える手足。



彩綾の死に方は、目も当てられない状況だった。



でも、彩綾は、あたしの心を殺したんだ。

これくらいの仕返しをして、当然だ。

あたしは、彩綾から目を離し、座り込んだ。



「……強姦された女の子が、飛び降りました。証拠画像もあります。」



夜風が後ろで誰かに電話をかけている。

その声をどこか遠くで聞きながら、あたしは彩綾の死に様を、思い返していた。


死んだ、死んだ、死んだ。


あたしをいじめた奴らは、こうなるんだ。

聖理奈、柑奈、裕二、ヤクザ、そして彩綾。

みんな、無様に死んでゆくんだ。


死ね、死ね、死ね。


悶え苦しみ、全ての行いに後悔して、死ね。

死にたえろ。

骨の髄まで打ち砕かれて地獄に堕ちろ。

この世から抹消されろ。

人間のクズども、消えてなくなれ。


跡形もなく散れ—————。


みんな、みんな、消えちまえ。















あたしの心に、どす黒い感情が溢れ出し、止められなくなる。


死ね死ね死ね死ね
消えろ消えろ消えろ
いなくなれいなくなれ
罰を受けろ制裁を受けろ
殺してやる殺してやるっ!


あたしの口角が少し、持ち上がる。


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