深紅の復讐~イジメの悪夢~



「泣いてんじゃねーよブスが」



ドカッ!!

麗華姫に腰を蹴られ、あたしは地面に膝をついた。

ポロポロとこぼれ落ちる涙を拭おうとする気も起きなかった。


——ドカッ!ドカッッ!!


何度も麗華姫に蹴られる。




………知っていた。




このグループは、すごく、すごく脆くて、危うい繋がりだってこと。

もうあたしと麗華姫しか残っていない。

もう、利害関係も何もかもが決裂し、うまくいかなくなる。


人の上に立ちたい、目立ちたい麗華姫。

麗華姫の後ろ盾を借りて目立ちたい取り巻きたち。


利害関係が一致して、表向きには、すごくキラキラした、みんなの憧れのグループ。


利害関係は、すごく脆い関係。

何かが欠ければ、連鎖的に崩れていく。

そんな危うい立場だったんだ。


あたしもこのグループに加わってから、全てを悟った。

その結果、あたしが選んだのは、このグループで生き残ることだった。


その犠牲は、とんでもないものだった。

死ぬほど苦しい日々を乗り越えて、あたしはなんとかやってきた。


どこから狂ってしまったのだろう。

運命の歯車は、突然何かが外れてしまった。


あたしたちは、復讐の魔の手に侵されていく。

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