深紅の復讐~イジメの悪夢~


「死ね。」



あたしを痛ぶることに飽きたのか、麗華姫はその言葉をぶつけると、くるりとあたしに背を向けた。

グラグラと揺れる視界の端で、麗華姫の細い脚が一歩ずつ遠ざかっていった。

ふらふらと立ち上がるあたしの目から涙は出なかった。

なんでだろう、どこで間違えたのかな。

最初は、いじめなんてしたくなかった。
こんなことになるなんて、そんなつもりじゃなかった。

半ば脅されるようにして、半ば自主的に、グループに入った。
そんなつもりじゃなかった。
愛香を、百合香を、あんなに、追い詰めることになるなんて。

それにあたしが加担することになるなんて。
そんなの想定していなかった。

最初はただただ辛くて苦しくて……


嫌だったのに。


それを快楽と感じる自分がいたことが怖かった。
それなのに、いつからだろう。

人をいじめることに疑問を持たなくなったのは。
だんだんと、あたしたちは麗華色に染まっていくんだ。

麗華姫無しでは生活できないように、麗華姫を女王として、周りに這いつくばるように。

いつからそんなことになっていたのかな……

昔、愛香と百合香と笑い合っていた頃。


…………楽しかったな。
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