深紅の復讐~イジメの悪夢~
始まりの日
『奈々美ちゃーん!ねぇねぇ、前から思っていたんだけど、奈々美ちゃんってめっちゃ可愛いよね!!』
春休み前。
突然麗華姫に声をかけられて、混乱した。
『え…?あたし、ブスだよ??何を言っているのですか…?』
あまりにもキッパリとあっさりと自分がブスであると宣言してしまった…
麗華姫がびっくりした顔をした。
『ぷっ……あははははは、奈々美ちゃん、おもしろーい!!』
笑い転げる麗華姫。
だって、事実だもん。
細くて一重の糸目。
手入れの行き届いていない肌。
カサカサの厚い唇。
大きな鼻。
あたしの顔に「美人」の要素なんてかけらも無い。
「ブス」の部類だ。
愛香や百合香はまだしも、あたしは全然可愛くない、
『奈々美ちゃんは、メイクすれば絶対に変わる!!顔のパーツ配置はめちゃめちゃ整っているんだよ!!それにさ…』
麗華姫はあたしを横に向かせた。
『奈々美ちゃん、Eラインがすごく綺麗なんだよ!横顔美人!自信持って!!』
E……ラインってなんだろう…
『メイクもしたら、絶対に化けるから!!』
麗華姫とその取り巻きたちに押されて、あたしは、頷いた。