深紅の復讐~イジメの悪夢~
「っ……可愛いっ…!!」
信じられない、これがあたし??
鏡の中には、見たことのない人が写っていた。
パッチリとした目、高い鼻、ふっくらとした唇、血色のいい肌。
いつものあたしが、消え去っていた。
「やっぱり、化ける顔だよ〜〜、かっわい〜〜!」
彩綾ちゃんがあたしの頭を軽く叩いた。
頬が赤くなっていくのを感じた。
「す、すごい、すごいよこれ!」
柑奈ちゃんを振り返ると、にっこり笑って応えてくれた。
「じゃあ、着替えもしちゃおうか〜〜」
聖理奈ちゃんがあたしを、人気のない試着室に連れて行った。
タレントの聖理奈ちゃんが選んでくれた服。
絶対にあたしには似合わないと思っていたけど……。
ちょっとだけ。
ちょっとだけ、着てみても良いかも、と思えてきた。
試着室に入り、カーテンを閉め、買い物袋を開いた。
この先一生着ないはずだった、リボンやレースのついた可愛い服と短いスカート。
着ようと思って手に取ったその瞬間。
いきなりカーテンが開け放たれた。
「きゃっ」
慌てて飛び退いた。
「大丈夫〜!人いないから!」
麗華姫が微笑んであたしに何かを手渡した。
「言ってなかったんだけどぉ、あたし、さっき水着も買ってきたんだよねぇ」
え……、水着??
「それ、着てみてよぉ〜」
屈託のない笑顔。