深紅の復讐~イジメの悪夢~
ごくりと唾を飲み込んだ。
逆らうわけにはいかない……。
み、水着くらいだ。大丈夫。別に変なことじゃない。
「わ、わかった〜、着るから。ちょっとだけ、外に行ってくれる…?」
笑顔を作って言った。
「はぁ?なんでぇ?お互い女なんだし、いいじゃ〜ん」
笑顔が引き攣った。
「で、でもっ…。」
「なんか文句ある〜?」
麗華姫に睨まれ、喉の奥がひゅっとなった。
機嫌を損ねたらまずいということはあたしでもわかった。
「う、ううん…。だいじょう…ぶ。」
あたしが躊躇しているのは、麗華姫たちに裸を見られるからじゃない。
麗華姫の後ろで光る、スマホのレンズに気づいていたからだ。
聖理奈ちゃんが一心にスマホを見ていた。
もしかして、あたしを撮っている……?
ま、まさか、ね。
きっと、何か別のものを見ているんだよ。
あたしは、意を決して服を脱いだ。
「ど、どうかなぁ〜〜??えへへ」
着替え終わったあたしは麗華姫に笑いかけた。
「かわいい〜〜〜!奈々美、似合ってる!」
「スタイルいいね〜」
「いいじゃん!すごーい!」
口々にあたしを褒める言葉が飛び交った。
あたしの頭からつま先まで、「褒められる快感」が走った。
気持ちがいい。
人に褒められるのってこんなに気持ちがいいことなんだ。