深紅の復讐~イジメの悪夢~
思わず顔がにやけてしまう。
「聖理奈、ありがとねぇ〜」
麗華姫が聖理奈ちゃんの頭をポンと叩いた。
「うん…」
聖理奈ちゃんが真顔で頷いた。
「ねぇ、ななみん、あたし達のグループに入るよね?」
唐突にあたしに問いかける麗華姫。
「………え?」
2度目の同じ質問に思わず眉が跳ねてしまう。
「ど、どういうこと…」
「だーかーらー!」
麗華姫が突然あたしの肩を掴み、鏡に押し付けた。
「もうほかの人と絡むのやめて、あたしたちと行動しよって言ってんの。頭足りないのかな?」
麗華姫の後ろでみんながくすくすと笑っている。
で、でも。あたしは大切な友達がいる。
だから…だから、あたしは麗華姫のグループには…入れない。
さっき、決めたことじゃないか。
そりゃあ、入れたら良いことづくしだと思う。
みんなには羨ましがられるだろう。さぞ気持ちがよかろう。
だけど。
「ごめん、麗華姫。さっきも言ったけど、あたし、麗華姫のグループには入らない。大切な友達がいるんだ。」
あたしは、もう一度はっきりと断った。
「ふーーーん」
麗華姫がクスリと笑った。
「じゃあ、これがどうなっても良いんだ。」