深紅の復讐~イジメの悪夢~
変化
「ブース!可愛くもないくせにあたし達のグループに入るならそれ相応の誠意を見せなさいよね!」
前髪を柑奈ちゃんに掴まれ、顔を無理やり上げられた。
さっき、聖理奈ちゃんに蹴られた鼻からはタラタラと鼻血が滴っているのを感じる。
あたしは、人気者になった。
可愛くなって、前の友達を見返してやった。
クラスの中でも、学校の中でも、カーストが大きく上がったのを感じた。
麗華姫の近くにいるだけで、麗華姫と話すだけで、周りからは一目置かれた。
「きったない。近づかないでくれる?」
彩綾ちゃんにゴミを見るような目で見つめられる。
しかし、その手にはしっかりとスマホは握られていて、カメラが光っていた。
そして、麗華姫の高笑いが響いていた。
あたしは地位を上げた。
あたし自身の心と体を犠牲にして。
「も……許し…て……」
「え〜!?聞こえないんですけどぉ!?」
いくら懇願しようと、聖理奈ちゃんの蹴りは止まらない。
辛い、しんどい。
そんな気持ちが膨れ上がって、溢れて。
日数を数えるのも嫌になった。
全てが嫌。何もかも嫌。
もう…死んだ方がいいのかもしれない。
そんなことをふと思う日の連続だった。