深紅の復讐~イジメの悪夢~
盛大にお腹が鳴っちゃった…
伏見くんに気づかれたよね、これ…
「あはは…お腹空いてんだな…」
伏見くん、その表情、苦笑だよね…
「ちょっと待てよ。」
伏見くんがバックの中をガソゴソかき回す。
「ほら。やるよ。」
ポンとあたしの方に投げられたものをあたしはとっさにキャッチする。
「腹減ってんだろ?食べろよ。」
見ると、カレーパンだった。
これ……あたしの大好きなカレーパン。
自慢じゃないけど、あたしは、カレーパンにはうるさいんだ。
「これ…あたしが好きなやつ…!!」
「だろ?」
え…?
「だろ」…?
伏見くん、確信犯?
「もしかして、わざと?」
「あ………」
沈黙が訪れる。
まあ、確信犯でもそうじゃなくてもありがたいんだけどね。
「ありがと。伏見くん。」
あたしはにっこり笑って言った。
「や……かわ………」
ボンッと伏見くんが真っ赤になる。
あれれ…?どうしたのかな…?
あたし何かしちゃった?
伏見くんがごほんと咳払いをする。
「よ、喜んでもらえて何よりデス…」
何で急に敬語?
伏見くん、なんかちょっと別の意味でおかしいよ?
「亜希、行こうぜ。」
しかし、すぐに八神さんに伏見くんは連れ去られた。