深紅の復讐~イジメの悪夢~
今までニコニコと笑っていた麗華の目が座る。
寄りかかっていた壁から体を離し、あたしの方に歩み寄る。
「ふざけんじゃないわよ。」
握りしめた麗華の拳が震えていた。
踏み抜いた。
あたしは、麗華の地雷を完全に踏み抜いた。
「人間以下の最低の生き物?あたしのことを何者扱いしてんの?」
あたしをしっかりと睨みつける目は、本気だった。
「黙れよ。清水ごときが!!」
麗華が叫ぶ。
「ふざけんな!!!」
———バキッ!!!!!
あたしの体が後ろに反り返る。
鼻血が噴き出す。
麗華の拳は、強烈に、正確に、あたしの顔面に入った。
麗華の拳は、誰よりも本気だった。
あたしは気づいていなかった。
怒らせると本当に怖いのは、取り巻きじゃない。