深紅の復讐~イジメの悪夢~
座席は、出席番号順。
百合香の後ろにあたし、あたしの後ろに麗華、麗華の後ろに柑奈というかんじだ。
奈々美は窓側の1番後ろの席。
そして、教室に入ってくる我らが担任の…
—————誰?
ぎょろりとした目のやせた、気の弱そうな若い男の先生。
あたしは、初見だ。
「どーも。この学校にーは、新しく入ってきまーした。佐藤と申しーます。しーたの名前は、力二と申しーます。」
この先生の名前は、佐藤力二というらしい。
「かに」じゃなくて「りきじ」って読むんだって。
それより、気になるのが、謎のアクセント。
なんか喋り方が外国人。
「先生!」
後ろから澄んだ声が上がった。
「えーっと、君ーは、白神さんだーね。なにーかな?」
麗華がスッと立ち上がって言った。
「先生の担当教科って何ですか?もしかして外国語教師ですか?」
さすがだ!
一番聞きづらいことを言ってのけた!
「私ーは、体育きょーしだーよ。ちーなみに、この話し方ーは、ほーげんだからね。せんせーは、日本人ーだよ。」
——っは?
いやいや、どこの方言だよそれ。
最初のホームルームは変な雰囲気のまま終わった。