深紅の復讐~イジメの悪夢~
「うん、わかった。」
あたしは、さっきよりも口角を上げ、これでもかと目を細め、首をコテンと横に倒し、極上の笑みを浮かべる。
お母さんがギョッとした顔をする。
「愛香、お願いだからその顔やめて。早く休んできなさい。」
う〜ん、あたし、そんな変な顔していないと思うんだけど…
あたし、作り笑いが下手なのかな…?
実際は腹痛なんてないあたしは、ベッドの中でつまらない時間を過ごした。
あぁ、あたしは、週末を挟んだら、月曜日もいじめられる。
怖い。
怖いけど。
2日間はゆっくりと過ごせる。
明日は、何をしよう。
散歩をしようか。
美味しいスイーツを食べようか。
いつもの、辛い、苦しいイジメの反動で、あたしは楽しいことを次々と考えた。
月曜のことなんて考えない。
考えないこと
あたしが編み出した、イジメに耐える方法。
明日は、近所を散歩しよう。
あたしは、いつのまにか眠りについていた。