不器用な彼〜君の気持ちを聞かせて〜
嘘だけど……その方が楽になるのかな?


「あれぇ……、宮澤?」

あたしを呼ぶ声。
振り向くと
「高岡君」

高校の時のクラスメイトで亮の1番仲良しの友達。

たしか亮と同じ大学だったはず。

「久しぶりだな」

「あっ………うん」

やばい……
泣いてたのばれちゃう。

「なんかあった?」

あたしの顔をのぞき込む。

「ううん」

「亮……か」

高岡君がはぁ、とため息をつく。
そして
「あいつ昔っから言葉足りないからなぁ……」

右手を上げて、頭をかく。

あたしが何も話さないでいると言葉を続けた。

「あいつが何であんなにバイト頑張ってるか知ってる?」

首を左右に降る。


「それは…………」
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