極上パイロットはあふれる激情で新妻を愛し貫く~お前のすべてが愛おしい~
プロローグ

長く、そして無骨な指が、私の肌をスーッと撫(な)でる。


「ん……」


まるで熱でも出したときのように全身が熱く、とろとろに溶けてしまいそうだ。


「鞠花(まりか)」


切なげな声で名を呼ぶ彼は、情欲を纏(まと)った瞳で私を見つめ、はぁーっと深いため息を落とす。

見つめられるのが恥ずかしくてたまらないのに、視線をそらせない。
いや、彼の強い眼差しがそらさせてくれないのだ。

そうしているうちに、彼は私の右手を取り、甲にチュッと音を立ててキスをしたかと思うと、指先を口に含んだ。

わざとなのだろうか、私に見せつけるようにおいしそうに舌を巻きつける彼は、ときにはヌチャッと淫猥な音をさせ、ときには軽く歯を立てた。

その姿がゾクゾクするほどなまめかしくて、鼓動が勢いを増していく。

もう、これ以上は無理。
心臓が破れて死んでしまいそうだ。
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