極上パイロットはあふれる激情で新妻を愛し貫く~お前のすべてが愛おしい~
そう思った私は、デブリーフィングが行われるオフィスフロアから駅まで続く廊下でひたすら岸本さんが出てくるのを待った。


待つこと一時間。

ようやく岸本さんの姿を確認できたのだけれど、その周りをキャビンアテンダントらしき五人の女性が取り囲んでいる。


「ありがとう。気持ちだけいただくよ」
「でも、せっかく選んだからどうぞ」


どうやら彼女たちも岸本さんが誕生日だと知っていて、私と同じようにプレゼントを渡すために待ち構えていたようだ。

彼は足を進めながらにこやかに微笑み、しかし受け取りを拒否している。

そのうちうしろからもうひとり駆けてきて、輪に加わった。


無理だ……。

私は無意識に自分の髪に触れてあとずさる。


自分の仕事を卑下(ひげ)したことも、この職に就いたのを後悔したこともない。

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