極上パイロットはあふれる激情で新妻を愛し貫く~お前のすべてが愛おしい~
けれど、あんなにきれいな彼女たちがプレゼントを拒否されているのに、真っ黒に日焼けして汗びっしょりの私が渡したところで受け取ってもらえるはずがない。

しかも今日は、ひどい髪型なのだ。

立ち去ろうと決めたものの、足が動かない。
無理だと思っても未練がある。


このままずっと遠くから見ているだけでいいの?

心の中で葛藤するも、どうしても近づいていく勇気は出なかった。


そのうち、女性に囲まれたままの岸本さんが間近に迫る。


今しかない。

そう思ったけれど、やはり足は動かなかった。


しかしすれ違いざまに一瞬彼と視線が絡まり、心臓が大きく跳ねる。


彼はハッとしたけれど、ほかの女性に話しかけられたためそちらに視線を移し、足を止めることなくそのまま歩き去ってしまった。

あの表情は、私を覚えていたということ?
ううん。気づいてほしいあまりに、そう見えただけかもしれない。

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