極上パイロットはあふれる激情で新妻を愛し貫く~お前のすべてが愛おしい~
懐かしい彼女 Side岸本

約一年半にわたるアメリカでの基礎訓練は、聞いていたよりずっと過酷だった。

何度も行われる試験にその都度合格しなければパイロットへの道が断たれるのだから、常に緊張感でいっぱいで、中には眠れなくて倒れてしまう仲間すらいた。


俺は同期入社の月島(つきしま)一輝(かずき)と仲良くなり、ふたりで切磋琢磨して乗り越えてきた。

小型機に乗せられ、急上昇や急旋回といったいわゆるアクロバット飛行のようなものを経験したときは墜落の危機を感じ、今までの人生で一番恐ろしい思いをした。

同時に、たとえこうした事態に陥っても乗客の命は自分たちの腕にかかっているのだと気持ちも引き締まった。


小型機での離着陸の試験ではかなり緊張したものの、月島と並んでトップ合格。

厳しい基礎訓練ののち帰国してからは、副操縦士となるべく訓練や、機種別ライセンスの取得に必死だった。


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