極上パイロットはあふれる激情で新妻を愛し貫く~お前のすべてが愛おしい~
FJA航空に就職してからここまで、脇目も振らずに学び、ようやくパイロットとしてのスタートラインに立つことができた。

俺はB787、月島はB777と分かれたけれど、よきライバルであり仲間だ。



今日はたまたま休みが合い、同期でライン整備を担当している井上と三人で食事に行くことになった。

俺も月島も入社後の一年間は地上勤務として整備を経験して、そのときに仲良くなったのだ。


「ふたりの休みが合うなんて珍しい」


とあるレストランで口火を切ったのは井上だ。


「だな。井上も忙しいだろ?」

「まあね。覚えることだらけで頭が爆発しそうだよ」


俺の質問に答える井上は、赤ワイン片手にため息をついている。


整備の仕事も、パイロットに負けず劣らず……いやひょっとしたら覚える事柄はパイロットよりも多いかもしれない。

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