二重芸能人ッ!
「で?津架さん、俺たちにどう行けと?」
―――まったくだ
「は?決まってんでしょ?
うまく観客をすり抜けてステージに行きなさい!」
「は?だったら最初からステージ裏に連れてってくれればよくない?」
「さっきも言ったでしょ?こっちだって切羽詰ってんのよ!・・・ハイ!」
は?
「津架さん、何コレ?」
「何って・・・【ハルカな空】の特装(・・)初回版
世界に10つしかありません!!」
「あのさ、聞いていい?」
「何よ志音」
「まさかさっき歌ってそれから速攻で作ったの?
ジャケットどうやっ撮ったの?」
「聞かないほうがこれからの人生のため」
―――よっぽどだったんだろう・・・
「それより志音翔音!
殺されないようにばれないようにステージまで行くのよ!?」
―――・・・一般人に紛れろ・・・・・・と?
――いやっ!絶望的に近い!
「行くぞ!志音!考えたって始まらねぇ!」
そういって翔音は俺の手を掴むと
キラキラハデハデの衣装でばれないように
普通のパーカーを羽織らせると走りだした