幼なじみの終わらせ方

「俺が紗世の王子さまになれたのは、実は最近なんだ」
「え、そうなの?」
「そう。紗世が好きになってくれるまで、自分磨きと周りの男達から紗世を守ることを頑張ったんだ。だから投げ出さないで根気よく頑張るのが大事だぞ?」
「ういと、かっこいい!おれもがんばる!」

具体的なことは何も教えられないかも知れないけど、俺よりももしかしたら前途多難なしんたろうの背中を押してやりたいと思う。

「しんたろー!」

「みよ!」

「ただいま!」

「みよ、走ったらあぶないだろ?」

そういってしんたろうはみよちゃんを抱き締める。

「大丈夫だよ、みよ強いもん!」

「おれが心配なんだよ」

過保護なだけなのか、本当に走ったら体に障る病気なのか、検討もつかないくらいみよちゃんは元気に見える。
見えるだけで、辛い病気と戦っているのかも知れないけど。




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