幼なじみの終わらせ方
「さよ、ぼく、さよのこと大好き」
5歳くらいの頃、一緒に遊んでいると
初人が小さな花束を私に手向けながら言ってくれたことがあった
可愛い初人に言われてとにかく嬉しくて
「さよもっ!さよもういちゃん大好き!」
ぱあっと初人が笑ってくれたことが嬉しくて
「ういちゃん、女の子みたいで可愛くて大好き!」
と続けるとそれまでの笑顔が一瞬でなくなってしょんぼりしてしまった
「ういちゃん?どうしたの?」
「ぼく…男の子だもん」
「そうだね、ういちゃんは男の子だね?」
「女の子じゃないもん…」
「うん、でもういちゃんは女の子のさよよりずっとずーっとかわいいよ?」
「ちがうもん!さよの方がぼくよりずっとずっとずーっとかわいいんだもん!」
思い返せば、男の子の初人のプライドを傷つけてしまったのであろうこの発言が
私たちの初めての喧嘩だった