高嶺の花も恋をする【番外編追加】
いつになっても晴れない気持ちのままエレベーターに乗った瞬間、後ろから走り込んで乗って来た人がいる。
「雨宮さん!」
突然名前を呼ばれてビクッとしたけど、今の声って.....。
振り返って見れば、息を切らした佐伯くんがそこにいる。
「えっ?、佐伯くん....」
向かい合った佐伯くんは何か焦っているような、なのに強い眼差しで私を真っすぐ見つめてくる。
えっと...何だろう?
私、また何かしちゃったのかな。
気まずい気持ちで視線をさまよわせていると、エレベーターのドアが閉まった。
あっ!まだボタン押してない。
「佐伯くんは何階?」
とりあえず自分が降りる1階のボタンを押そうと一歩前に出て右手を伸ばし指先がボタンに触れようとした瞬間、大きな手に私の右手が包まれた。
「えっ...」
驚いて右手を引こうとしたけれど外れない。
咄嗟に佐伯くんを見ると、目の前に彼の彼の喉元。
「あ...」
あの時と同じ。私が佐伯くんに落ちた瞬間と。
でも..でもあの時と違う....。
触れただけの指先は、今、彼に包まれている。
「佐伯...くん?」
彼の顔を見上げようとした時、彼の方が私に顔を寄せてきた。
あっ....瞳が。見惚れていると真剣な声が聞こえた。
「雨宮さん、話をさせて欲しい」
「えっ?」
どうしたの?佐伯くん。
それに初めて敬語じゃない。
信じられない思いで彼を見つめると、握られた右手が彼の方へ引き寄せられた。
「雨宮さん...」
すごく近い距離で真っ直ぐに見つめられて、胸の鼓動はどんどん速くなる。
握られた手が温かくて、その熱が腕から心臓、そして顔へとどんどん上がっていく。
もうどうしていいか分からなくなって.......。
「わ...分かった。あの、だから..手....手を」
そう言うと佐伯くんはハッとして、すぐにパッと手を離した。
急に離された手はそのまま固まったかの様に空に浮かんだままになる。
「雨宮さん!」
突然名前を呼ばれてビクッとしたけど、今の声って.....。
振り返って見れば、息を切らした佐伯くんがそこにいる。
「えっ?、佐伯くん....」
向かい合った佐伯くんは何か焦っているような、なのに強い眼差しで私を真っすぐ見つめてくる。
えっと...何だろう?
私、また何かしちゃったのかな。
気まずい気持ちで視線をさまよわせていると、エレベーターのドアが閉まった。
あっ!まだボタン押してない。
「佐伯くんは何階?」
とりあえず自分が降りる1階のボタンを押そうと一歩前に出て右手を伸ばし指先がボタンに触れようとした瞬間、大きな手に私の右手が包まれた。
「えっ...」
驚いて右手を引こうとしたけれど外れない。
咄嗟に佐伯くんを見ると、目の前に彼の彼の喉元。
「あ...」
あの時と同じ。私が佐伯くんに落ちた瞬間と。
でも..でもあの時と違う....。
触れただけの指先は、今、彼に包まれている。
「佐伯...くん?」
彼の顔を見上げようとした時、彼の方が私に顔を寄せてきた。
あっ....瞳が。見惚れていると真剣な声が聞こえた。
「雨宮さん、話をさせて欲しい」
「えっ?」
どうしたの?佐伯くん。
それに初めて敬語じゃない。
信じられない思いで彼を見つめると、握られた右手が彼の方へ引き寄せられた。
「雨宮さん...」
すごく近い距離で真っ直ぐに見つめられて、胸の鼓動はどんどん速くなる。
握られた手が温かくて、その熱が腕から心臓、そして顔へとどんどん上がっていく。
もうどうしていいか分からなくなって.......。
「わ...分かった。あの、だから..手....手を」
そう言うと佐伯くんはハッとして、すぐにパッと手を離した。
急に離された手はそのまま固まったかの様に空に浮かんだままになる。