高嶺の花も恋をする【番外編追加】
☆番外編 ②☆
久しぶりの同期会。

乾杯してお互いの近況を話した後、話題は私と佐伯くんのお付き合いの質疑応答が開始された。

「で?どうなんだよ、2人はさあ~」

幹事の大森くんの質問から始まり、冷やかしも入る。

佐伯くんが残業でまだ到着していないことから、勝手に色々と話してもいいのか迷いながらも私なりの答えを返す。

「うん。凄く優しくしてくれているよ」

「へー、あんなにドライなのに雨宮の前だと違うのかよ。マジか~。どんな感じ?」

「え...どんなって....。もう.....もう本当に凄いの!」

佐伯くんの話をするのはまだ気恥ずかしくて頬に熱が上がり、それを隠したくて両手で顔を隠す。

その発言に皆は息を呑み、目を剥いた。

男性陣の中には生唾を飲んだ人もいる。

みんなが莉緒にくぎづけになる中、亜香里がその空気を打ち破るように𠮟咤する。

「ちょっと!莉緒!。あんたまた何言い出してるの。自分が何言ってるか分かってる?」

「え?何が?」

「何がじゃないでしょ。みんなの顔見てみなさいよ」

そう言われて皆を見渡すと、女子は頬を染め、男子はニヤニヤしてる人や私をジッと見ている人もいる。

「.....みんな、どうしたの?」

ポカンとした顔で聞くと、亜香里が呆れたようにとんでもんない事を言い出した。

「あのね。同僚カップルの性事情の感想なんて聞かされたら、みんなこんな顔になるでしょ!」

「はぁ~??同僚カップル...の性....じ...じょ.....!そっ!そんなの言うわけないでしょ!!」

真っ赤にさせた頬を手で覆い、あまりの羞恥に声が大きくなる。

「何を言ってるの!亜香里!」

「あんたが言ってるんでしょうが」

呆れる様な声で言われて、あまりの恥ずかしさに席を立った時、後ろから肩をポンッと叩かれた。
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