高嶺の花も恋をする【番外編追加】
「それよりもさ、あんたの彼氏?呆けた顔でずーっと莉緒の事見てるけど大丈夫?」
私の言葉にハッとして彼を見れば、本当に莉緒のことを呆けた顔して見ているからカッとしたみたい。
「秀くん!何その顔!何でこの人の事見てるの?もう帰る!」
と叫んで立ち上がると出口に向かって走って行ってしまった。
すると彼はスーツのポケットから何か取り出してペンで書くと立ち上がり、何故か莉緒の前に来てテーブルに紙を置くと彼女を追うでもなくゆっくりと歩いて行った。
そしてみんなの視線はその紙へと。
それは名刺で、彼の携帯の電話番号であろうものが添えて書かれていた。
シーンとなる空気。
この状況で、連絡先を莉緒に渡してくるその神経が皆信じられなかった。
「何?、これ」
莉緒は指先でつまんで表裏眺めた後、半分に畳んでおしぼりの空の袋に詰めておしぼりの下に敷いた。
そんな行動に私も大森も笑ってしまった。
イケメンくんも莉緒にとってはただの人。
告白され続けた莉緒は、特に相手に興味を持たない。
佐伯に振られて落ち込んでいた時だけは、告白してくれた人の気持ちを無下にできないと思ったらしいけど、佐伯と付き合えた後は、告白してくる人への対応はより淡白になって佐伯を心配させることはない。
「あいつすげーな。彼女怒らせても慌てず雨宮にアピールって」
そんな大森の言葉にやっとみんなで声を出して笑った。
天然と養殖の美女対決は、莉緒の圧勝だった。
莉緒を目にした途端、あの彼氏くんは莉緒を夢中で眺めて彼女の存在を忘れたかのようだった。
莉緒が到着してみんな揃ってからの会話はまだなかったから、仕切り直しにドリンクと料理を注文してカンパイしようと言うことになった。
「侑くん何食べた?」
「うん?焼き鳥と枝豆」
「美味しかった?」
「うん」
いつも通りの会話の調子に何だか安心する。
するとメニューを見ていた莉緒が「あ!」と言いながらメニューを指差して佐伯に言った。
「侑くんの好きな塩唐揚げがあるよ!」
「本当だ」
「食べたい?」
「うん、食べたい」
「じゃあ、半分こしようよ」
「ちょっと!そこイチャイチャしない。半分こって何?私達もいますけど?」
微笑み合う2人に割って入る。
さっきはあんな場だったから許したけど、全くこの2人はすぐにイチャイチャし始めるんだから。
まあでもあんな事があったのに、2人が変わらずイチャイチャしているのが何だか嬉しかった。
その後の飲み会は4人で楽しみ、また近いうちにダブルデートする事を約束して別れ、莉緒と佐伯は手を繋いで歩きながら、佐伯のマンションへと帰って行った。
私の言葉にハッとして彼を見れば、本当に莉緒のことを呆けた顔して見ているからカッとしたみたい。
「秀くん!何その顔!何でこの人の事見てるの?もう帰る!」
と叫んで立ち上がると出口に向かって走って行ってしまった。
すると彼はスーツのポケットから何か取り出してペンで書くと立ち上がり、何故か莉緒の前に来てテーブルに紙を置くと彼女を追うでもなくゆっくりと歩いて行った。
そしてみんなの視線はその紙へと。
それは名刺で、彼の携帯の電話番号であろうものが添えて書かれていた。
シーンとなる空気。
この状況で、連絡先を莉緒に渡してくるその神経が皆信じられなかった。
「何?、これ」
莉緒は指先でつまんで表裏眺めた後、半分に畳んでおしぼりの空の袋に詰めておしぼりの下に敷いた。
そんな行動に私も大森も笑ってしまった。
イケメンくんも莉緒にとってはただの人。
告白され続けた莉緒は、特に相手に興味を持たない。
佐伯に振られて落ち込んでいた時だけは、告白してくれた人の気持ちを無下にできないと思ったらしいけど、佐伯と付き合えた後は、告白してくる人への対応はより淡白になって佐伯を心配させることはない。
「あいつすげーな。彼女怒らせても慌てず雨宮にアピールって」
そんな大森の言葉にやっとみんなで声を出して笑った。
天然と養殖の美女対決は、莉緒の圧勝だった。
莉緒を目にした途端、あの彼氏くんは莉緒を夢中で眺めて彼女の存在を忘れたかのようだった。
莉緒が到着してみんな揃ってからの会話はまだなかったから、仕切り直しにドリンクと料理を注文してカンパイしようと言うことになった。
「侑くん何食べた?」
「うん?焼き鳥と枝豆」
「美味しかった?」
「うん」
いつも通りの会話の調子に何だか安心する。
するとメニューを見ていた莉緒が「あ!」と言いながらメニューを指差して佐伯に言った。
「侑くんの好きな塩唐揚げがあるよ!」
「本当だ」
「食べたい?」
「うん、食べたい」
「じゃあ、半分こしようよ」
「ちょっと!そこイチャイチャしない。半分こって何?私達もいますけど?」
微笑み合う2人に割って入る。
さっきはあんな場だったから許したけど、全くこの2人はすぐにイチャイチャし始めるんだから。
まあでもあんな事があったのに、2人が変わらずイチャイチャしているのが何だか嬉しかった。
その後の飲み会は4人で楽しみ、また近いうちにダブルデートする事を約束して別れ、莉緒と佐伯は手を繋いで歩きながら、佐伯のマンションへと帰って行った。