reborn
「あ」
「っこ、紺くん!」
更衣室から出ると、もう紺くんはそこにいました。スマホをいじっていたのに私が紺くんを見つけるより先に私が見つけられてしまって、なんだかずっとしていたドキドキが更に加速した気がします。緊張でスカートに皺が出来るのもお構いなしにきゅっと握ってしまいました。選んだ服は学園が買い取って私たちがもらっていいそうなので、皺が出来ても大丈夫で本当に良かったです。
「紺くんはイケメンなので何着ても似合いますが、やっぱり普段みたいな適当に合わせたものよりちゃんと選んだ方がずっとカッコいいですね!」
「え? めっちゃ一文で褒めて落とすじゃん」
「褒めてますよ!」
も、ものすごく褒めたつもりなんですが……。
「ん〜じゃあありがと。初も似合ってる似合ってる」
「ほ、本当ですか!? この可愛い服に着られていないか心配で心配で……」
紺くんの言葉に心底ほっとしました。緊張と一緒に両手の力も解けてきました。みなさんが似合ってるって言ってくれて、それもすっごく嬉しかったのですが、やっぱり紺くんからのその言葉が一番安心できた気がします。
「うん、可愛い」
「ですよね!? 髪は鮎川さんがアレンジしてくれて、服は星出さんが……」
「や、可愛いのは、こっち」
つん、と鼻に当たった感覚に顔が熱くなったのを感じてしまい、思わず悲鳴を上げてしまいました……。