グリフォンの恋人・序章・エピソード0

画家・ミルラの話

グリフォンの恋人・序章
最高神官サンサザールと画家のミルラ

<クレルのイストワール(物語・フランス語)>
父と母の出会いは、きっとこんな風だったのだろう。

母が描いた、父の横顔の素描を見て想像する。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

クレルの祖父であるジャン・エバンズ・カントールは、
外国の王家や裕福な貴族ともつながりのある、有名な画家だった。

彼は風景画を得意として、各国を回り、
注文があれば城や庭園、教会、その他、注文主が,気に入る場所の絵を描き、収入を得ていた。

祖父は放浪癖と女癖が悪かったので、生涯において結婚をしなかった。

しかし、愛人は多く、その一人が妊娠して、女の子を産んだ。
その子がクレルの母・ミルラである。

ミルラには絵の才能があった。

祖父はいち早くその才能を見抜き、手元で育て英才教育をほどこした。

優秀なアシスタントとして、
ミルラは、祖父のサポートをこなした。
< 1 / 22 >

この作品をシェア

pagetop