グリフォンの恋人・序章・エピソード0
日曜日の午後の訪問
<日曜日の午後>
ミルラは忙しく、パスタをゆでていた。
サラダは出来ている。
チーズも数種類切ったし・・・
ワインは、あのクソ親父の隠していた逸品の貴腐ワイン。
神官様のために出したと言えば、
文句は言わないだろう。
パスタは、シンプルにガーリックと唐辛子で
ペペロンチーノ風にしよう。
アトリエの食堂兼居間は小さいが、かわいらしいチェックの
テーブルクロスと、クッションで居心地が良さそうに見える。
神官様はコーヒーかしら、
それとも紅茶がいいのか・・
やかんを持ち上げて、ミルラは
悩んでいた。
お気に入りのブルーの薔薇の花、
絵柄のカップとソーサーは、
紅茶用だから・・・
リンリン
アトリエの玄関の扉の鈴が、鳴らされた。
「はい、はーい」
まだ、約束の時間まで15分ある。