グリフォンの恋人・序章・エピソード0

サンサザール最高神官とは

<神殿・最高神官・執務室>

「遅いっ!!」
オーギュスト・サンサザール最高神官は、神殿の広間で、正装した神官服姿で待機していた。

その側に、
控えている事務官に、強い口調で言った。

サンサザール神官はまだ若いが、
濃いブラウンの髪、灰色が勝った青の瞳は、冷酷な印象を相手に与える。

長身痩躯であり、
それは神に仕える身としての、
禁欲的なイメージがあった。

最年少での最高神官の就任、
オーギュストは能力も抜群に高いが、プライドも高かった。

「申し訳ありません。
今、使いをやって確認しています。
なにしろ腕は一流だそうですが、
気まぐれな画家らしくて・・・」

事務官は、オーギュストのとがめるような視線から、
目をそらして言い訳めいて言った。
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