グリフォンの恋人・序章・エピソード0
ミルラはくるりと姿勢を変えて、
オーギュストに、はちみつ色の乱れた頭を、チョンと下げると
「はいっ、父の代わりで、ここに参りました。
本当に申し訳ありません。
では、失礼しますっ」
ミルラが逃げるように飛び跳ね、
体の向きを変えようとした時、
オーギュストがその腕をつかんだ。
「名前はっ!?」
女神が去ってしまう!!
「ミルラと言います!!
あの、お話はあとで、今は急がないと!!」
ミルラはその腕から逃れようと、もがいた。
「ミルラ・・神にささげる乳香か。女神にふさわしい・・」
オーギュストは腕を離さず、
独り言のようにつぶやいた。
その瞳は、うっとりと夢を見るように細められた。
ミルラの方は、腕をつかまれたまま、
<ああ、なんか変な奴に捕まったけど、どうしよう・・困ったな>と焦っていた。
「あの・・ですね。
神官様がお待ちなので、放してくださいまし。
ぶつかって悪いのは私ですから、
あとで、きちんとお詫びをいたします!」
ミルラは、腕を離さないオーギュストに、
困り声で、ほとんど叫んでいた。
オーギュストに、はちみつ色の乱れた頭を、チョンと下げると
「はいっ、父の代わりで、ここに参りました。
本当に申し訳ありません。
では、失礼しますっ」
ミルラが逃げるように飛び跳ね、
体の向きを変えようとした時、
オーギュストがその腕をつかんだ。
「名前はっ!?」
女神が去ってしまう!!
「ミルラと言います!!
あの、お話はあとで、今は急がないと!!」
ミルラはその腕から逃れようと、もがいた。
「ミルラ・・神にささげる乳香か。女神にふさわしい・・」
オーギュストは腕を離さず、
独り言のようにつぶやいた。
その瞳は、うっとりと夢を見るように細められた。
ミルラの方は、腕をつかまれたまま、
<ああ、なんか変な奴に捕まったけど、どうしよう・・困ったな>と焦っていた。
「あの・・ですね。
神官様がお待ちなので、放してくださいまし。
ぶつかって悪いのは私ですから、
あとで、きちんとお詫びをいたします!」
ミルラは、腕を離さないオーギュストに、
困り声で、ほとんど叫んでいた。