グリフォンの恋人・序章・エピソード0
ミルラは目を見開いて、オーギュストを見上げた。

オーギュストは、ポカンと自分を見上げているミルラに微笑んで、手を差し伸べた。

「さぁ、立ってください」

「はぃ・・?」
「私の肖像画を、描きに来たのでしょう?」

呆然として、
事態が呑み込めないでいるミルラに

「私が、最高神官のサンサザールです。」

窓の光が逆光で、
オーギュストの表情は、よくわからない。

ミルラは動揺しながらも、差し伸べられた手を握り、立ち上がった。
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