俺だけのお姫様

翌日

「美夜、おはよう」
「おはよ、慎太郎」
「ん」

小さな頃から、一緒に出掛ける時は手を繋ぐ

「うん…あの、慎太郎、登校するときまで手を繋ぐの、そろそろやめても…」
「嫌だね。お姫様だっこにする?」
「あ、ううん!手!手を繋ぐのでお願いします!」

真っ赤な顔で必死に伝えてくる美夜も可愛い

「お、来たな、名物夫婦」
「おはよ、杉崎」
「杉崎くん、おはよう」
「朝からラブラブで羨ましいんですけど」
「らっ…」
「当たり前だろ」
「慎太郎…っ!」

俺達は校内公認カップルで、こうして冷やかされることもしょっちゅうだ。

これは、俺の作戦。
周りを牽制するにはどうしたらいいか、必死に考えて、師匠からのアドバイスももらって出た最高の方法だ。

「慎太郎、なんか1年の子が呼んでるぞ」

だから、どんなに告白されても美夜がいるからと断って納得されてきた。
今日までは。




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