俺だけのお姫様
月夜に憂うお姫様-美夜side
入院してから、毎日病院に来てくれる慎太郎は
来ると必ず私の手を握って背中をゆっくり擦ってくれる
子供の頃も同じだった。
なぜかそれが心地よくて、嬉しくて
私もぎゅっと握り返す。
「慎太郎、無理して毎日来なくても大丈夫だよ?」
「俺が来たいんだから、そんなこと言わないで」
何度無理して来なくてもいいと伝えても、
そう言って拗ねるふりをして笑わせてくれる
「あ、ここ今日授業でやったとこだ」
「そうなんだ、私も院内学級で教えてもらったんだ」
私はあれから休学することになり、
病院内で教えてくれる院内学級で勉強している
「美夜ちゃん」
「あ、譲くん。どうしたの?」
「美夜ちゃんにここ、教えてほしくて」
譲くんは1つしたの男の子。
院内学級で仲良くなって、時々こうしてわからないところを聞きにくるようになった