俺だけのお姫様

「笹山先輩、好きです!付き合ってください!」

「ごめん、俺、婚約者がいるから」

"彼女"なんて言わない。
近い将来、絶対結婚する。
自分への決意も込めて、毎回"婚約者"と口にする。

「…んじゃ浮気相手でもいいです!」
「は?」
「どうしても笹山先輩と付き合いたいんです!」

「聞いてた?俺、婚約者がいるの。浮気なんてするわけないじゃん」
「だって婚約者でもずっと好きでいるかなんてわからないですよね?」
「…君には分からないよ、俺がどれだけ美夜のこと好きなのか」
「笹山先輩がどれだけ好きでも、真山先輩がずっと好きでいるかなんてわからないですよね?」

こんなに手強い子は初めてだった。
確かに、美夜の気持ちがずっと好きでいてくれるかなんて分からない。
でも

「美夜に嫌われる日が来たって、俺の気持ちは変わらない」

「はぁ…んじゃまた来ます!」

「は?」

「先輩の気持ちが変わるかもしれないですもんね!」

「おい、美夜に手出したりすんなよ!」

「ふふっ、約束はしませんっ♪」


最近の美夜は不安定だ…
今不安にさせたくない


「美夜…」


何があっても俺が守る
決めてるんだ、あの日から



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