俺だけのお姫様

翌日、病室へ向かうと美夜の姿がなく、
少し探しに行くことにした


「僕、美夜ちゃんが好きだよ」


中庭に向かうと、ちょうど譲が美夜に告白しているところだった


「ありがとう、譲くん。でも、ごめんね」


「慎太郎君は美夜ちゃんの気持ち、分からないじゃん…毎日元気に学校行って、家に帰れて…抗がん剤で苦しい美夜ちゃんの気持ち、理解出来ないじゃん」

「うん、そうだね…」

「いつか死んじゃうかもって怖い気持ち、僕なら分かるよ」

「…譲くん」

「学校に行けない寂しい気持ちも、痛くて苦しい気持ちも、健康な人から励まされると苦しい気持ちも…!」




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