俺だけのお姫様
「これ、誕生日プレゼント」
「…いつもと違うお花だ」
「うん」
「薔薇…」
「うん」
「3本って…」
「"愛しています"」
「慎太郎…」
「ストレートでいいかなぁって」
勢いよく美夜が抱きついてくる
びっくりして椅子から落ちそうになった
「美夜…?」
「私も…っ」
大きな目に涙をいっぱい溜めて微笑む美夜は
息を飲む美しさだった
「美夜、これ、帰ったら読んで」
「え、お手紙?」
「う、うん」
「慎太郎が、私に?」
「うん」
「もう、泣いてもっとブスになっちゃう」
抗がん剤の影響で、髪や眉毛が抜けてきて
容姿を気にしはじめていた
「どんな美夜でも可愛いよ?」
「…ありがとう」