俺だけのお姫様
「いらっしゃい、しんちゃんまた背伸びた?」
「紗世ちゃん、おじゃまします」
紗世ちゃんは俺の師匠の奥さんで、
美夜の憧れの人だ。
家族ぐるみで仲良くなって10年。
時々こうしておじゃましては歓迎してくれる
「しんちゃーん!!」
俺に突撃してくるこの女の子は二人の愛娘。
「みよちゃんは?みよちゃんは?」
「こら海(うみ)、しんちゃんにこんにちはが先でしょ?」
「しんちゃん、こんにちは!みよちゃんは?」
「ん、美夜は今日はお勉強してて来てないんだよ」
「なんだ、みよちゃんと遊びたかったなー」
「俺で我慢してくれよ、海」
「仕方ないからしんちゃんで我慢する!」
「こら海!」
「しんちゃんごめんね、いつもありがとう」
「海は大事な妹みたいなもんだからね」
「しんちゃんはいつもかっこいいなー、惚れちゃうわ、こりゃ」
「おい、浮気すんな」
「あ、お帰り初人」
「お帰り初人、おじゃましてます」
「また背伸びたな、慎太郎」
「うん」