俺だけのお姫様
俺だけのお姫様
手術当日
いつもは学校終わってから面会終了まで美夜の傍にいられるけど
手術中はなにも出来ないし、平日の10時からというのもあって、学校へ行くしかなかった
でも、どうしても手術前に会いたくて
ナースの古賀さんに頼み込んで
登校前に美夜に会えることになった
「美夜、傍に居られなくてごめんな」
「ん、大丈、夫」
緊張と不安でいっぱいなはずの美夜は
相変わらず強がりを言う
抱き締めるだけでは足りなくて
おでこにキスをして、頭を撫でた
「学校終わったらすぐ来るからな」
あの頃と変わらない美夜の瞳が
少し潤んでいた
「やっぱり俺学校休…」
「こら、学校行かないと美夜、お嫁にあげない約束でしょうが」
「秋ちゃん…」
「しんちゃんも、美夜も、頑張る、ね?」
「うん」
後ろ髪を引かれながら学校へ向かった