俺だけのお姫様
今日に限って、時間が進むのが遅い
10時
「始まった…」
「笹山、どーした?」
「いえ、何でもないです」
心の中で、とにかく祈る
お願いします、神様、どうか、どうか…
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どうにか学校を終え、急いで病院へ向かう
「あ、慎太郎くん走らないで!」
「すみませ、あのっ、美夜は…」
「まだ頑張ってるところだよ」
「え、まだ…」
「今、先生も美夜も頑張ってるから」
「しんちゃん、座って待っててね」
秋ちゃんの顔色が悪い
「秋ちゃん、大丈夫だからね。美夜、大丈夫だから」
「…しんちゃん」
「秋菜、慎太郎」
「章平…」
どうしても抜けられない仕事があると
美夜の父の章平さんも今日は仕事に出ていた