俺だけのお姫様
弱気なお姫様-美夜side
幼なじみの慎太郎は、7歳の頃、婚約者になった
お隣さんで、赤ちゃんの頃からずっと一緒に育って、
いつもみよ、みよって大事にしてくれる慎太郎が、大好きで大好きで
絵本のお姫様に憧れていると話すと、
「おれがみよの王子さまになる!」
と、ものすごく息巻いて抱きついてきた
7歳で白血病を患い、治療が苦しくて仕方なかった時も、
毎日ランドセルを背負って病院に来てくれて
背中をゆっくり擦って、色んな話をしてくれた
水族館で出会って、仲良くなった紗世ちゃんのドレスが見たいと泣きながら話した後は
急いでいなくなったと思うと
「みよ、さよちゃんのドレス楽しみだな!」
なんて訳の分からないことを言って笑わせてくれた
まさか、プロポーズに立ち会わせてくれるとは思わなくて、感動したのと同時に、
私が手術を頑張るために、初人くんに相談したのだろうと悟った。
今でも忘れない。プロポーズをされて、一緒に幸せになろうと返す綺麗な紗世ちゃんのことも、嬉しすぎて私たちの前にも関わらず、紗世ちゃんにキスする初人くんも、
隣で手を繋いで微笑む慎太郎のことも。