銀色ネコの憂鬱
「個展はやらないの…?」
「え?」
蓮司もひと息つくために、菫と机の角を挟んだ席に座っていた。
「こうやって壁に飾られてるとこ見ると、やっぱりカラフルで大胆で気持ちいいなって思うよ。」
アトリエの壁には昨夜見た絵が飾られたままだった。
「原画でしか感じられない迫力みたいな…やっぱり元気になるから、個展やったらみんな喜ぶと思う。」
「個展…ね。」
蓮司は4年前の個展を思い出して、何かを考えているようだった。
「正直、あの時の個展はあんまり良い思い出じゃないんだ。」
「え」
「だからあの一回しかやらなかったし、やるつもりも…ないかな。」
「そう…なんだ…」
なんとなく蓮司の聞かれたくないことを聞いてしまった気がして、菫は気まずさを覚えた。そんな菫の気持ちを蓮司は表情から読み取った。
「今は、個展やって良かったと思ってるよ。あれがなかったらスミレちゃんに逢えてないから。」
そう言って蓮司は菫の頭を撫でて、優しく微笑んだ。
「え?」
蓮司もひと息つくために、菫と机の角を挟んだ席に座っていた。
「こうやって壁に飾られてるとこ見ると、やっぱりカラフルで大胆で気持ちいいなって思うよ。」
アトリエの壁には昨夜見た絵が飾られたままだった。
「原画でしか感じられない迫力みたいな…やっぱり元気になるから、個展やったらみんな喜ぶと思う。」
「個展…ね。」
蓮司は4年前の個展を思い出して、何かを考えているようだった。
「正直、あの時の個展はあんまり良い思い出じゃないんだ。」
「え」
「だからあの一回しかやらなかったし、やるつもりも…ないかな。」
「そう…なんだ…」
なんとなく蓮司の聞かれたくないことを聞いてしまった気がして、菫は気まずさを覚えた。そんな菫の気持ちを蓮司は表情から読み取った。
「今は、個展やって良かったと思ってるよ。あれがなかったらスミレちゃんに逢えてないから。」
そう言って蓮司は菫の頭を撫でて、優しく微笑んだ。