ありったけにキス。
廊下の隅にて。
「ま、まって……っ。ほんとにここでする、の?」
「する。我慢とか苦手」
みんなから死角になる廊下の隅にて。
彼氏である千咲くんに、ものすごい勢いで迫られてます。
真後ろは冷たい壁。
目の前にはゆらゆら揺れてる千咲くんのネクタイ。
ちょっと目線を上げれば……。
「柑乃……したい」
「っ……」
これでもかってくらい、甘い顔をして見下ろしてくる千咲くん。
わたしはどうも、この顔にめちゃくちゃ弱い……。
きっと千咲くんもそれをわかってる。
わたしの彼氏━━千咲くんは加減をまったく知らない。
自由気ままで、自分がしたいことは即実行。
そして千咲くんはかなりのキス魔。