ありったけにキス。
足元がグラッと崩れそうになっても、千咲くんの手がちゃんとわたしの腰に回ってて。
もはや今わたしが立ってられるのは、千咲くんに支えられてるから。
ほんとは力が入らなくて、地面にへなへなっと崩れちゃいそう……なのに。
「腰抜けるほどきもちよかったんだ?」
「っ、これは……うぅ……」
「否定しないってことはそうなんだ?」
「き、聞かないで……!」
千咲くんは、この状況が愉しくて仕方ないよう。
これ以上はもうダメだよって、ムッと唇をとがらせると。
「……その可愛いの、逆効果なのにね」
「ひゃぁ……ぅ」
最後に軽く唇をぺろっと舐められて、わざと音を立てるようにチュッてキスされた。